堺雅人よ軍人になり２００兆円隠せ！…映画「日輪の遺産」主 - 日本

直木賞作家・浅田次郎氏（５８）のベストセラー小説「日輪の遺産」が、俳優・堺
雅人（３６）の主演で映画化されることになった。帝国陸軍がダグラス・マッカー
サーから奪取した時価２００兆円の財宝をめぐる壮大な物語。終戦間際、財宝を隠
す密命を実行する軍人と少女たちの日本復興への思いを描く。話題作への出演が続
く実力派の堺が「か細く複雑な道を通らないと最後までたどり着けない作品」と気
を引き締めている。佐々部清監督（５２）で来年公開。

　堺が演じるのは、近衛第一師団の情報参謀・真柴少佐。東部軍経理部の小泉中尉
、座間連隊の望月曹長とともに、軍の密命を実行する。密命は、時価２００兆円の
財宝を敗戦後の復興資金とするため極秘に隠すこと。詳細を知らされないまま少女
２０人が勤労動員として作業に参加するが、任務をやり遂げた後、少女たちや真柴
らにとって非情な命令が下される。

　原作小説は１９９３年に発表され、現在までに５０万部を突破。直木賞受賞作「
鉄道員」「地下鉄に乗って」「蒼穹の昴」「壬生義士伝」など映画・ドラマ化が相
次ぐ浅田氏だが、「日輪の遺産」は「初めて自由に書いてよいと言われ、書き上げ
て世に出したとき、ようやく小説家になれた気がした。その意味で記念碑的な小説
」。配給の角川映画は「真柴や少女たちが守り通したプライド、矜持（きょうじ）
があったから今の日本の繁栄がある。日本人のアイデンティティーを確認できる作
品」と話す。

　「クライマーズ・ハイ」で各映画賞の助演男優賞に輝き、「ゴールデンスランバ
ー」「武士の家計簿」など話題作に立て続けに主演する堺だが、複雑で繊細なスト
ーリーと、登場人物たちが思いがけない行動を取る今作に難しさを感じるという。

　堺は「毎回、こうしておけば（ストーリーは）ここまでいくだろうと目算がある
が、果たして最後の着地点にたどり着けるのか。初めてのチャレンジになる。出演
者全員で力を合わせ、重い岩を運ぶ旅のような作品」と気を引き締める。軍人役を
本格的に演じるのは初めて。先ごろ近衛師団の元軍人と会い、話を聞いて役作りし
ている。

　望月曹長役は中村獅童（３７）、小泉中尉役は福士誠治（２６）、少女たちの教
師役はユースケ・サンタマリア（３９）。少女の現在を八千草薫（７９）が演じる
。２４日にクランクイン予定。


http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20100422-OHT1T00080.htm


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