山田洋次&小百合、34年ぶりタッグも不安なし - 日本

By Eartha
at 2008-01-27T12:46
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【ヒューマン】山田洋次&小百合、34年ぶりタッグも不安なし
山田洋次監督(76)と女優、吉永小百合(62)に最新作「母(かあ)べえ」につ
いて聞いた。「この役に、彼女以外の他の誰が考えられますか」-。監督の言葉には、
昭和49年の「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」以来、34年のブランクを超越した小
百合への確かな信頼と敬愛の情があふれる。一方、自称“山田学校の生徒”は、「素の
ままで、監督の前に立ちました」と可憐さを失わない。2人の来し方行く末とは…。
◇
「小百合さんは、あの頃と変わらず美しい」
昨年2月、製作発表の席上、山田監督が言った一言が印象に残った。「男はつらいよ
」の小百合は20代。時間に負けない美しさとは何なのか。
山田「変わらない部分はあるけれど、ある年齢に達してから、別な美しさが備わった
。別な美しさになっていった、というのかな。原爆詩の朗読をライフワークに定められ
たあたりから、すごいな、他の女優さんとは違うなと思っていました」
2人は戦争や平和に対する問題意識が高く、自分の意見を明確にしている。小百合は
日頃から山田監督の見識に敬意を払い、自身は、原爆詩の朗読活動を続けている。
山田「ぼくはずっと、そのことについて尊敬していたから」
小百合「最初の朗読CDを作った時、監督に聞いて頂きたくて、無謀にもお送りして
しまったんです。『良かった』というお手紙を頂いて、とってもうれしかった」
山田「そういう意味では、今度の映画を撮る上で共感してもらえるものがあるに違い
ない、と信じていました。戦争と平和について俳優さんと語り合えるのは、意外にない
ことですから」
「母べえ」が描くのは太平洋戦争直前の時代。爆弾も撃ち合いもないが、山田監督は
、夫が投獄された後の母娘の暮らしを丹念に描き、結果的に、“戦争”をお茶の間に映
し出した。男手を失って働き、家事をこなし、2人の娘を守る母親は、不条理な世界と
静かに戦っている。
山田「母べえがなぜ小百合さんでなければならないか? じゃあ、あなたは他に誰を
考えますか? 他に考えられない、と言えば、誰でも納得するでしょう」
インタビューは、ホテルの一室で行った。監督の話に小百合がじっと耳を傾けている
。日活映画での撮って出しの猛烈な忙しさとは違う、自分の人生を大切にする仕事のペ
ースを故渥美清さん、山田監督から学んだ。「男はつらいよ」は、小百合の転機となっ
た思い出深い作品だ。
小百合「『男はつらいよ』の時は、撮影途中で、監督がおひとりで考え込んでしまう
ことが何度かありました。渥美さんはそれをご存知で、フッといなくなって、監督の考
えがまとまるころに帰っていらっしゃる(笑)」
山田「なんでそんなに考え込んでたんでしょうね? 若かったからかな(笑)。今回
は粘りがなくなったかな?」
小百合「絶対にそんなことはないです」
山田「あきらめが早くなったとか?」
小百合「いえ(笑)。今回は、何度もテストを繰り返して、みんなでせりふを言って
、作りながら変化していった。せりふって生きているから、俳優にどうしゃべらせるか
という監督の演出で違ってくる。山田学校の生徒にとっては、とてもおもしろい作業で
した」
撮影後に出したエッセー「夢の続き」の中で、小百合は、「この作品で自分についた
垢のようなものが落とせた気がする」と記した。
山田「垢ね…そっかぁ」
小百合「長いことやっていると、実際に演出していただけることが少なくなってきま
す。自分の引き出しの中からとっかえひっかえ出してやるという形になりがちでしたが
、今回はそういうのを全部引っ込めて、素のままで、スッと監督の前に立てばいい、そ
れが大事なんだと教えていただきました」
山田「そうね。真っ白い紙であって欲しいね。監督と俳優が一緒になって、そこに字
や絵を描いていくのだから」
小百合「だから、顔で演じるのでなくて、心で、体の根幹から演じることが大切だと
」
山田「演出家としては、多少違うんだな。そこに小百合さんが衣装を着て、居るだけ
で、すでに60、70%ができている。あなたがそこに居るだけでいいんです。存在が
ひとつの表現になっている。その人の人生が出ちゃうわけだから。だけど、俳優はそれ
を埋めようとするのね、演技で。それが全部邪魔になることがある。そういうこと、色
々な俳優さんで感じますね。『普段のあなたが素敵、だからその通り、画面に居ればい
い』。これ、小津安二郎の姿勢でしたね」
「女・笠智衆さんのようになりたい」。以前、小百合は、小津映画の常連で、「男は
つらいよ」などで共演した名優、故笠智衆さん(享年88)を目標に上げた。
山田「小百合さんが、笠さんみたいになりたい、と言うの、ぼくはうれしかったな。
笠さんはどっからどう写してもいい。普段とつながってるわけ、そのまんまでカメラの
前にいるわけ。笠さんの代表作は『東京物語』だけれど、(役は)70歳のおじいさん
。小百合さんには、お年を召してもその年代、年代の女性を表現してもらいたい。笠さ
んの年まで」
小百合「どこまで出来るかわからないですが、今も、笠さんのようになりたいと思っ
ています」
山田「前人未到かもしれないけれど、小百合さんになら出来ますよ。そのころ、ぼく
はいないけれどね(笑)」
小百合「常に前を向いて、新しい作品に向かって進んでいく、映画に対する少年のよ
うな情熱がわたしたちにとっての励ましなんです」
同じ情熱を持つ“美しい生徒”は、まもなく次の映画「まぼろしの邪馬台国」に入る
。「人生がスクリーンに出る」-。師から送られたエールをかみしめながら。
★初日舞台あいさつで涙
「母べえ」は26日初日を迎え、小百合は東京・有楽町の丸の内ピカデリー1で山田
監督、浅野忠信(34)、笑福亭鶴瓶(56)、檀れい(36)らと舞台あいさつした
。「山田監督の映画には弱い者、小さい者に対する温かい眼差しを感じます。この映画
もそうだと思います。私にとって一生忘れられない大切な作品になると思います」と唇
を震わせ、涙をこぼした。同作は「第58回ベルリン国際映画祭」コンペ部門出品が決
定。小百合らが渡独する。
■「母(かあ)べえ」
昭和15年の東京。文学者の野上滋(坂東三津五郎)、娘の初子(志田未来)、照美
(佐藤未来)と暮らす佳代(吉永小百合)。ある日、滋が治安維持法違反で検挙された
。滋の元教え子の山崎(浅野忠信)や滋の妹、久子(檀れい)、叔父(笑福亭鶴瓶)が
寂しくなった一家のちゃぶ台を囲み励ます。滋からの手紙が母娘の唯一の楽しみだが、
戦局が激しさを増す17年、野上家に一通の電報が届く…。
http://www.sanspo.com/geino/top/gt200801/gt2008012717.html
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