小泉監督の感動作「明日への遺言」3・1公開 - 日本

By Megan
at 2008-01-08T07:51
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“クロサワの継承者”小泉監督の感動作「明日への遺言」3・1公開
黒澤明監督の遺稿を託され、55歳で初メガホンをとった「雨あがる」の公開は平成
12年。遅咲きの小泉堯史監督(63)がそれよりずっと前から温めてきた作品が完成
した。第二次世界大戦後、米軍捕虜を処刑しB級戦犯として絞首刑になった岡田資(た
すく)中将を描いた「明日(あした)への遺言」(3月1日公開)。小泉作品の登場人
物には、「映画を通し、この人に出会いたい」という監督の思いが込められている。
◇
小泉監督が映画の原作、大岡昇平さんのノンフィクション「ながい旅」と出会ったの
は14、5年前。まだ、黒澤監督の助監督のころ。
「これを監督1作目にと思ったのは、セットは法廷だけ、16ミリで撮ればお金がか
からず、新人には撮りやすいかと。でも、実際には素材が難しくて、やってくれる人は
いなかった(笑)」。
台本にしてから10年以上経ち、小泉家の机の中に埋もれていた作品に光を当てたの
は、「雨あがる」で監督を世に送り出した原正人プロデューサー(76)。「日本人は
物質的な豊かさと引き換えに、責任、品格、誇りを失ってしまった。今こそ、岡田中将
の“遺言”を若い人に託したい」。戦争を知る氏の必死の思いだった。
部下をかばい、全責任を負って13階段を昇った岡田中将とは、どんな人だったのか
。「岡田さんの心の中を知りたいということが、映画に取り組む大きな力になった」と
監督は言う。短髪。伸びた背筋。静かな語り口。一方で、物作りには厳しく情熱的。そ
の姿は“サムライ”を思わせる。
「ふんどし一丁で乾布摩擦? アハハハハッ、それはないですよ。ただね、岡田さん
のような人たちの気持ちを知りたい、という思いが強いのかな。戦後の混乱の中で、自
分の心を見続け、どう生きるか真剣に格闘した人たち。軍人であれ、誰であれ、ある時
代、ある運命の中で生きざるを得ない人たちにとって、『どう生きたか』ということが
大事なのではないか。映画の中かもしれないけれど、そういう人たちと出会えるってこ
とが、ぼくにとっては、本当にうれしい」。
「雨あがる」をはじめとする一連の小泉作品は自然があふれ、みずみずしい草の匂い
が感じられる。だが、同作は大部分が法廷シーン。中将が“法戦”と呼んだ、検察との
息詰まる戦いが続く。
「公判の様子を順番に撮りながら、1日ごとにレンズを標準から望遠に変えていった
。すると岡田中将と傍聴席との距離が詰まってくる。傍聴席の家族との関係や心象も表
現できるわけです。照明部さんと外光の取り入れ方を相談して、今日は晴れ、くもりと
か、ちょっとした違いを工夫する。傍聴席の人の下駄に雨よけのカバーをかけて、天気
を感じさせたり。同じ法廷なんだけれども、それはそれで楽しいもの。決して飽きるこ
とはなかった」
実際の裁判が行われた横浜地方裁判所を東京・成城の東宝スタジオに再現。そのスタ
ジオは、黒澤監督が「まあだだよ」の大宴会シーンを撮った同じ場所だった。その師が
いつだったか言った。
《映画監督は最前線の指揮官だ》
「岡田さんを知ることで、黒澤さんを知ることができるのかな、って思いもあったか
もしれない。ぼくはいたらない助監督で、現場でよく怒られたけど、終わってしまって
から言われたことはなかった。作品に対する責任は監督がきちんと受け止めてくれてい
た」。
黒澤監督は「素晴らしい人」。「思い出せば、心の中でいつでも会えるって人が、誰
にでもいるでしょう? 偉大でなくてもいい、映画や本の中の人物だっていい。そうい
う人と出会えることが素晴らしいんです」
岡田中将が、映画を見た誰かにとって、“素晴らしい人”にならんことを、ひそかに
願っている。
■小泉 堯史(こいずみ・たかし)
昭和19年11月6日、茨城県水戸市生まれ。写大(東京工芸大)、早大卒業。45
年に黒澤明、木下恵介、市川崑、小林正樹の4人の監督が組織した四騎の会に所属し、
黒澤監督に師事。53年「影武者」の製作で監督の資料調査を手伝って以降、全作品で
シナリオ準備段階から助監督として参加した。平成12年に黒澤監督の遺稿「雨あがる
」で劇場映画デビュー。日本アカデミー賞最優秀作品賞、ベネチア国際映画祭「緑の獅
子賞」を受賞。14年「阿弥陀堂だより」、18年「博士の愛した数式」を監督した。
■「明日への遺言」
昭和23年、元東海軍司令官、岡田中将(藤田まこと)はB級戦犯として巣鴨プリズ
ンに入所していた。中将とその部下の起訴理由は、捕虜となった米軍搭乗員38人を正
式の審理を行わず処刑したこと。一方、中将は全ての責任は自分ひとりにあり、搭乗員
は名古屋地区を無差別爆撃した戦争犯罪人だとして、一歩もひかず、略式裁判の正当性
を訴える。5月、絞首刑を言い渡された中将は「本望である」と言い残す。傍聴席では
温子夫人(富司純子)ら家族がその姿を見守った。
http://www.sanspo.com/geino/top/gt200801/gt2008010809.html
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